年次報告書 海外投資 に保証を 事業機会 を確実に 20 15 多数国間投資保証機関 世界銀行グループ MIGAの使命 途上国への対外直接投資の促進を通じて、経済発展、貧困削減、 人々の生活向上を図ることにあります。 年次報告書 2015 世界銀行グループ 2015年度の成果概要 世界銀行グループ総裁兼 理事会議長からのメッセージ 2015年度は世界の開発 題を解決するため、世界各地の事例から実践的なノウハウを導き出せる よう支援する事、それが我々の目指すところです。 にとって極めて重要な 2015年度、世界銀行グループは加盟国の政府や民間企業に対して、総計 600億ドル近い融資、贈与、直接投資、保証をコミットしました。この 年でした。国際社会が 内、IBRDのコミットメントは、総額235億ドルに上りました。これは、 最高水準だった世界金融危機当時を除けば、これまでの最高額となり この一年に下した決定の ます。一方、世界銀行グループの最貧困層向け基金であるIDAは、増資 対象期間の初年度としては過去最高の総額190億ドルをコミットしまし 数々は、2030年までに た。また、献身的な職員が信念を持って業務に携わったおかげで世界銀 行グループのパフォーマンスは高まり、グループの開発に関する知識や 極度の貧困を撲滅するという 専門性を世界と共有する事が、より容易に行われています。 今や世界の開発資金は、高所得国からだけでなく、中所得国や低所得国 目標を達成できるか否かを からの資金も加わり、数十億ドル規模から数兆ドル規模に拡大しようと しています。そうした中、新興市場や脆弱国に対する民間セクター投資 長期的に左右する事になる を促すために、世界銀行グループが一丸となって取り組む事が極めて重 要です。世界銀行グループで民間セクターを支援するIFCとMIGAの でしょう。 2機関も、こうした取組みを強化しています。2015年度、IFCが民間セ クター開発のために提供した投融資総額は、他の投資家から動員した約 71億ドルを含め約177億ドルに達しました。MIGAもまた、総額28億ド 今 日、1日1.25ドル未満で生活している人は今なお10億人近くに上 ルに上る政治的リスク保証業務及び信用補完業務を提供し、必要性の高 ります。これは驚くべき数です。しかしその一方で、この25年 いインフラ分野のプロジェクトを含め、各種の投資を支援しました。 間に、極度の貧困状態にある人々の世界の総人口に占める割合が3分 の2も低下した事は特筆すべき事実です。この間、多くの国々が、 極度の貧困状態にある約10億人の人々は、より良い生活を手にするため 不可能と思われた課題に挑戦し成果を上げてきました。 の平等な機会を必要としており、彼らに機会をもたらしてくれる政策や プログラムに期待しています。各国政府はこの機を捉え、民間セクター 2030年までに極度の貧困を撲滅する事は、困難ではありますが実現は のパートナーは新たな投資を模索しなければなりません。この好機を逸 十分可能です。世界銀行グループの主要機関である国際復興開発銀行 する事のないよう、世界銀行グループ、他の国際開発金融機関、新たな (IBRD)、国際開発協会(IDA)、国際金融公社(IFC)、多数国間投 開発パートナーが力を結集し、信念を持ちながら協調していく事が求め 資保証機関(MIGA)は、過去数十年間にわたり、世界各地での貧困と られます。力を合わせる事により、包摂的で持続可能な成長、そして貧 の闘いの経験を抽出し分析してきました。開発のために何が効果的で何 困層や脆弱層にとっての機会を促進する事ができます。我々が極度の貧 がそうでなかったかを経験から学ぶ中で、いくつかの明らかな傾向が浮 困に終止符を打つ世代になる事は、実現可能なのです。 かび上がってきました。 「成長、投資、保証」という戦略は、大きな効果を生む事が実証されて います。強力で持続可能かつ包摂的な経済成長を促進し、保健や教育の 分野を中心に人に投資すると共に、極度の貧困に陥る人がないように社 会的セーフティネットを構築し、自然災害や感染症の大流行に対する対 応策を策定していかなければなりません。 ジム・ヨン・キム博士 また、低・中所得国のニーズの変化に対応するため、世界銀行グループ 世界銀行グループ 自身も変わる必要があります。以前と比べ資金の調達は容易になってい ますが、そうした中でこそ、世界銀行グループの最大の強みを強調して 総裁兼理事会議長 いかなければなりません。それは、我々の膨大な知識を革新的資金調達 と融合させる事により、最貧困層に最大限の効果をもたらすプログラム を提供できるという強みです。途上国自身がそれぞれの抱える困難な課 世界銀行グループ MIGA 年次報告書2015 | 1 世界各地での活動 2015年度、世界銀行グループは ラテンアメリカ・カリブ海地域 引き続き、途上国に対して積極的 100 な支援を提供する事ができまし た。これは、より迅速な成果の達 億ドル 成、援助受入国やパートナーとの 関係強化、そしてグローバルなソ リューションを用いた各地域の 問題解決に力を注いだ結果です。 経済成長の促進 効果 IBRD/IDA IFC 世界銀行グループは、その強みや 専門性、資金を駆使し、経済成長 27,700km 250万 の道路の建設または補修 件の雇用の提供 の促進、包摂性の推進、持続可能 性の確保を進め、援助受入国や 4,900万 2億3,700万 人及び中小・零細企業に 人を電話に接続 パートナーが大きな開発効果を 金融サービスを提供 達成できるよう支援しています。 MIGA 100,325 件の雇用創出 147億ドル MIGAクライアントによる 147億ドルの新規融資 2 | MIGA 年次報告書2015 ヨーロッパ・中央アジア地域 100 億ドル 600 東アジア・大洋州地域 90 億ドル 億ドル 加盟国の政府・民間企 業に対する融資、贈与、 50 直接投資、保証などの 支援総額。 億ドル 中東・北アフリカ地域 110 複数の地域にまたがるプロ 億ドル ジェクトやグローバルな プロジェクトを含む。 150 南アジア地域 億ドル サブサハラ・アフリカ地域 地域別内訳には世界銀行の分類による。 包摂性の推進 持続可能性の確保 IBRD/IDA IFC IBRD/IDA IFC 1億2,300万 340万 4,100万 970万 人が保健、栄養、 戸の農家を支援 特別気候変動対策によりCO2排出量 2015年度のIFC投資により970万 人口サービスを享受 換算で4,100万トンの削減 トンの温室効果ガス削減見込 350万 1,450万 人の学生への教育助成 34 195億ドル 人が社会的セーフティネット・ カ国で公共財政管理制度を強化 IFCが支援した案件で195億ドル プログラムの恩恵を享受 の歳入が増加 MIGA MIGA 400万 2,180万 人に清潔な水へのアクセスを確保 人に電力アクセスを提供 30億ドル 1億4,200万 MIGAが支援した案件で30億ドル 人が交通アクセスを確保 の歳入が増加 MIGA 年次報告書2015 | 3 世界銀行グループの各機関 世界銀行グループは、途上国に資金や知識を提供する世界有数の機関であり、貧困の撲滅、繁栄の共有 の促進、持続可能な開発の推進という共通の目的を持つ5つの機関で構成されています。 国際復興開発銀行(IBRD) 多数国間投資保証機関(MIGA) 中所得国及び信用力のある低所得国の政府を対象に 新興国への対外直接投資(FDI)を促進するために投資家や貸手 貸出を提供 に政治的リスク保険や信用補完を提供 国際開発協会(IDA) 投資紛争解決国際センター(ICSID) 最貧国の政府を対象にクレジットと呼ばれる無利子の融資や 国際投資紛争の調停と仲裁を行う場を提供 贈与を提供 国際金融公社(IFC) 途上国の民間セクター向け投資を促進するための融資、 直接投資、アドバイザリー・サービスを提供 世界銀行グループによる支援 年度別単位:100万ドル 世界銀行グループ 2011 2012 2013 2014 2015 承認額 1 56,424 51,221 50,232 58,190 59,776 実行額2 42,028 42,390 40,570 44,398 44,582 IBRD 承認額 26,737 20,582 15,249 18,604 23,528 実行額 21,879 19,777 16,030 18,761 19,012 IDA 承認額 16,269 14,753 16,298 22,239 18,966 実行額 10,282 11,061 11,228 13,432 12,905 IFC 承認額3 7,491 9,241 11,008 9,967 10,539 実行額 6,715 7,981 9,971 8,904 9,264 MIGA 総引受額 2,099 2,657 2,781 3,155 2,828 援助受入国実施信託基金 承認額 3,828 3,988 4,897 4,225 3,914 実行額 3,152 3,571 3,341 3,301 3,401 1. IBRD、IDA、IFC、全ての援助受入国実施信託基金(RETF)、MIGAの引受総額を含むため、信託基金による活動の一部しか反映されない世界銀行グ ループのコーポレート・スコアカードの金額と異なる。 2. IBRD、IDA、IFC、RETFの支援実行額を含む。 3. IFC自己勘定の長期コミットメント。短期融資や他の投資家を通じて動員した資金を除く。 4 | MIGA 年次報告書2015 MIGAの概観 本田桂子MIGA長官兼CEOからのメッセージ 2015年は、国際社会が次世代の開発ア う、革新性と適応性を発揮し続けています。2015年度、トルコとコロン ジェンダを策定する中で、一つの節目 ビアでは、サブ・ソブリン主体(地方自治体)や国有企業向けの民間セ を迎えたと言えます。その中でカギと クター融資を後押ししました。ブラジルでは、ブレンド型金融の新モデ なる要素は、極度の貧困撲滅と繁栄の ルを導入して、世界銀行グループとの連携強化がもたらした利点を示しま 共有促進という世界銀行グループの目 した。またエルサルバドルでは、年金ファンド・セクターを支援するため 標達成を支援するために、革新的な新 初の保証を提供したほか、ニカラグアでも、ごく初段階にあるプロジェク 規投資を誘致すべく、民間セクターと トのトレードマーク・ライセンス契約に保険を提供しました。 積極的に関わることが挙げられます。 その実現においてMIGAは重要な役割 同時に、ホンジュラスとヨルダンでは、気候変動の影響緩和に向けた太 を果たしています。MIGAの民間セク 陽光発電を支援するなど、重点分野においても従来の保証業務を展開しま ター・プロジェクト向け政治リスク保 した。加えて、経済混乱が続き困難な状況に直面している東欧の多数の国 険やクレジットエンハンスメント では、大手銀行の子会社を対象とした保証を提供しました。 (信用補完)商品は、投資を最も必要としている国への投資促進で触 本年度は、コーポレート・リスク担当局長としてサンティアゴ・アッサ 媒的機能を担っているからです。 リニ氏を迎えました。また、7月1日付で、副総裁兼最高業務責任者 今年、MIGAは前年に続き力強い実績を上げました。合計40件のプロ (COO)としてカリン・フィンケルストン氏がMIGAに加わりました。 ジェクトに対し総額28億ドルの新規保証を行って、投資家支援とリスク 経済発展、貧困削減、そして人々の生活向上に資するというMIGAの使命 緩和に貢献したのです。世界の最貧国向け投資保証はプロジェクトの半 を引き続き担うにあたり、チーム全員と協力して業務に邁進していく所 数近くに上るほか、脆弱・紛争国でのプロジェクトは全体の15%に達しま 存です。 した。これらの国々はMIGAの最優先分野となっています。 MIGAは、クライアントのニーズにカスタマイズできるよう、その商品の 本田桂子 新たな利用法を編み出す一方、特定の構造に見合った保証が可能になるよ MIGAの運営チーム santiago g. assalini edith p. quintrell keiko honda ana-mita betancourt ravi vish コーポレート・リスク担当局長 業務担当局長 MIGA長官兼CEO 局長兼法務・支払請求担当顧問 経済・持続可能性担当局長 MIGA 年次報告書2015 | 5 MIGAの ビジネスと業務の 概観 概要 2 015年度、加盟途上国での40件のプロジェクトに対してMIGAが発行した投資保証は 総額28 億ドルに達しました。加えて、MIGA が管理する信託基金の下で、320 万ドルの投資保 証が発行されました。プロジェクトの包括範囲は、全地域・全セクターを網羅しており、MIGA の 重点分野のうち、少なくとも一つの分野に取り組んでいるものは新規保証総額の60 %を占めまし た。本年度末のMIGA の総保証残高は125 億ドルでした。そのうち、MIGA の再保険パートナーに 受け渡したものは48 億ドルでした。また、ブータンがMIGA の181 番目の加盟国となりました。 15 12 9 新規保証額の重点分野別内訳* 割合(%) 6 MIGA は最貧国や高リスクの国などの戦略的優先分野で最も活発に活動を展開しており、革新的 プロジェクトを支援したり、公的保険機関や民間保険会社と協力したりして、企業や政府のために 3 多額の追加資金を動員しています。 0 FY11 2011年度 FY13 FY122012年度 FY14 2013年度 FY15 2014年度 2015年度 IDA融資適格国 55% 48% 70% 29% 43% 脆弱・紛争国 24% 18% 23% 50% 15% 革新的プロジェクト - - - - 15% *複数の重点分野にまたがるプロジェクトもある。2015年度より「革新的プロジェクト」を追加。 6 | MIGA 年次報告書2015 総保証残高 10億ドル 12.4 12.5 10.8 10.3 9.1 2011年度 2012年度 2013年度 2014年度 2015年度 支援受入国上位10か国* 投資国上位10か国* 国名 国名 トルコ 9.0% フランス 17.2% セルビア 6.8% オーストリア 13.0% コートジボワール 6.6% 米国 11.4% ロシア連邦 5.7% ドイツ 8.5% ベトナム 5.3% 英国 6.1% パナマ 4.7% 日本 5.0% クロアチア 4.2% 南アフリカ 4.6% アンゴラ 3.9% ギリシャ 4.0% ハンガリー 3.7% スペイン 3.7% ウクライナ 3.5% アイルランド 3.7% 合計 53.4% 合計 77.2% *2015年6月30日現在の総保証残高125億ドル MIGA 年次報告書2015 | 7 MIGAが与えた影響 アンゴラで戦争によって生じた 金属スクラップを鉄筋に変身 アンゴラでは、戦争で発生した廃品などの金属スクラップから建設業界向けの鉄筋を生産するグリーンフィールド型工場 の建設と操業に7,000万ドルの保証を提供しています。このプロジェクトは、同国初の石油セクター以外の大規模な産業 プロジェクトの一つに数えられます。金属スクラップは、長期にわたる内戦の名残りとして、アンゴラ全土に広がってい ます。こうして集められたスクラップは、工場でのビレット鋳造用の原料となるだけでなく、環境保全と多数の 雇用創出にも貢献します。 ブラジルのインフラ不足解消に向けた ソリューションの提供で世界銀行と協力 ブラジルのサンパウロ州では、輸送システムの信頼性、安全性、そして自然災害に対する強靭性を向上する画期的プロ ジェクトに3億6,080万ドルの保証を行っています。この「サンパウロ持続可能な輸送」プロジェクトは、公的資金と 世界銀行グループによる民間金融手段を組み合わせたもので、世界銀行と民間貸付機関のブラジル向け貸出限度枠に対 応しつつ、同国の投資ニーズへのソリューションを提供するために同国政府と緊密な連携を図っています。 コンゴ民主共和国の通信業界への支援 コンゴ民主共和国では、携帯電話の基地局網のさらなる拡大を支援するために3,020万ドルの保証を提供しています。 基地局の増設に伴い、携帯電話の既存および将来の事業者やインターネットサービスプロバイダは、自社のサービス 地域や配信能力の拡大が可能になります。このプロジェクトはまた、近代的かつ全国的なインフラ構築、通信・ 新技術へのアクセス改善といった同国の開発目標も支援することになります。 8 | MIGA 年次報告書2015 安価でクリーンな電力供給をインドネシアで支援 インドネシアでは、発電容量47メガワットの流れ込み式水力発電所の開発と操業、ならびに送電線の建設の支援とし て2億ドルの保証を行っています。この新規ファシリティは、インドネシアの国営電力公社に、より経済的でクリーンな 電力を供給することで、高価な石油燃料への依存度を減らすのに役立つでしょう。MIGAの保証は、電力セク ター向け民間投資をさらに誘致する際のデモンストレーション効果も期待できます。 エジプトでの投資保証を通じて 他の開発パートナーと協力 エジプトでは、地元で入手可能な製油所の常圧蒸留残油を、国内市場向けディーゼル油やジェット燃料などの軽油製品に アップグレードする精油プロジェクトを支援するために2,340万ドルの保証を提供しています。このプロジェクトは、 消費者と業界の需要に応えて、低硫黄の精油製品の国内生産を最適化しようとするものです。MIGAの支援は、 同国に対する投資家の信認を高めるのに貢献するでしょう。同プロジェクトはまた、国際金融公社(IFC)、 アフリカ開発銀行、欧州投資銀行など、多数の開発金融機関の支援も受けています。 トルコにおける公共保健サービスの拡大を支援 トルコでは、南部の都市アダナにおける総合ヘルスキャンパスと中部都市ヨズガットでの新病院の建設を支援するため合 計2億920万ドルの保証を提供しています。これらのプロジェクトは共に、公共医療サービスの向上を目的に、トルコ保 健省が全国的に進めている官民パートナーシップ(PPP)の一部となっています。アダナのヘルスキャンパスはIFCの支 援も受けています。双方のプロジェクトは、周辺地域における多大なヘルスケア・ニーズにも対応できるでしょう。 詳細についてはウェブサイト( miga.org/FY15projects )をご覧ください。 MIGA 年次報告書2015 | 9 開発成果 交通機関を 提供した人の数 1億7,600 万人 現地調達財 2億6,500 万ドル 総保証引受額 28 億ドル 誘因した投資 直接創出した雇用数 98 億ドル 13,868 人 租税・手数料 の年間合計 2億4,300 万ドル 10 | MIGA 年次報告書2015 詳細についてはウェブサイト( miga.org/development-results )をご覧ください。 ガバナンス MIGAの総務会および理事会 加盟国 181 カ国を代表する総務会および理事会がMIGA のプログ ラムや活動を指導しています。各加盟国はそれぞれ総務 1 名と総 務代理1名を任命します。 MIGA の権能は総務会に委ねられ、 MIGAの使命は、 さらに総務会はその権能のほとんどを25 名で構成される理事会 に託しています。議決権数は、各理事が代表する国の出資比率 経済発展、貧困削減、 に応じて加重されます。理事はワシントンDC にある世界銀行グ ループ本部で定期的に会合を開き、投資プロジェクトの審査と 人々の生活向上 決定、ならびに全般的な運営方針の監督に当たります。 詳細については、ウェブサイト(worldbank.org/en/about/ を支援することです。 leadership/governors)をご覧ください。 これを実現するためには、MIGAは、支援を 行っているプロジェクトの開発結果を明確に 説明責任 把握していなければなりません。MIGAの 独立評価グループ 「開発効果指標システム(DEIS)」は、 全てのプロジェクトの結果を示すために、 独立評価グループ(IEG)は、MIGAの開発成果の向上を目的 に、 MIGAの戦略、方針、プロジェクトを評価しています。 誘因した投資の金額、直接創出した雇用数、 IEGはMIGAの運営チームから独立しており、MIGAの理事 納税額、現地調達財の金額など、一連の共 会と開発効果委員会に評価結果を直接報告します。 通する指標のデータを顧客から収集するも IEGの報告書や勧告はウェブサイト上(ieg.worldbankgroup.org) のです。これに加え、セクター別指標も測定し で一般に公開されています。 ています。2015年度のMIGAの28億ドルに上 コンプライアンス・アドバイザー/オンブズマン る保証により、官民両方から98億ドルの協調 融資を追加的に誘引できる見通しです。 コンプライアンス・アドバイザー・オンブスマン(CAO) 室は、MIGAと IFC(国際金融公社)の説明責任を追及する独立 以下は、MIGAの保証(2015年度契約分) したメカニズムで、世界銀行グループ総裁の直下に置かれてい を受けたプロジェクトの開発成果の概要です。 ます。 CAOは、 MIGAと IFCが支援するビジネス活動の影響を受 けた人々の苦情に対処します。その目標は、現地で環境・社会 面の結果を高め、両機関の一般に対する説明責任を強化するこ とにあります。 詳細については、ウェブサイト(cao-ombudsman.org) をご覧ください。 MIGA 年次報告書2015 | 11 財務要約 百万ドル 2011年度 2012年度 2013年度 2014年度 2015年度 収益 純受取保険料 50.8 61.7 66.3 72.5 79.0 投資収益 13.9 36.9 33.6 53.4 24.1 一般管理費1 41.1 43.9 47.1 45.6 44.9 営業利益 2 9.7 17.8 19.2 26.9 34.1 純受取保険料に対する 81% 71% 71% 63% 57% 一般管理費の比率 1 一般管理費には、年金および他の定年退職後の給付プランの費用が含まれる。 2 営業利益は純受取保険料から一般管理費を減じたもの。 純受取保険料 百万ドル 50.8 61.7 66.3 72.5 79.0 2011年度 2012年度 2013年度 2014年度 2015年度 百万ドル 2011年度 2012年度 2013年度 2014年度 2015年度 経済資本(EC)合計* 414 508 572 620 705 株主資本 924 905 911 974 971 運転資本 1,099 1,125 1,178 1,262 1,312 総保証残高 9,122 10,346 10,758 12,409 12,538 運転資本に対する経済資本合計の比率 38% 45% 49% 49% 54% 総保証残高/運転資本の比率 8.3 9.2 9.1 9.8 9.6 *経済資本合計は、保証ポートフォリオの資本減価に、オペレーショナル・リスクと投資リスクへの対応に要する資本を加算したもの。 株主資本と総保証残高の比率 総保証残高 1:13 株主資本と 純保証残高 125 株主資本 総保証残高の比率 9.7 億ドル 77 億ドル 億ドル 12 | MIGA 年次報告書2015 詳細についてはウェブサイト(miga.org/financial-statement-FY15)をご覧ください。 連絡先 上級幹部 本田桂子 khonda@worldbank.org 長官兼最高経営責任者(CEO) Karin M. Finkelston kfinkelston@worldbank.org 副総裁兼最高業務責任者(COO) Santiago G. Assalini sassalini@worldbank.org コーポレート・リスク担当局長 Ana-Mita Betancourt abetancourt@worldbank.org 局長兼法務担当顧問 Edith P. Quintrell equintrell@worldbank.org 業務担当局長 Ravi Vish rvish@worldbank.org 経済・持続可能性担当局長 地域拠点 アジア・大洋州 — Timothy Histed thisted@worldbank.org シンガポール事務所責任者 ヨーロッパ — Elena Palei epalei@worldbank.org ヨーロッパ・ハブ責任者 保険引受部門 Carlo Bongianni cbongianni@worldbank.org インフラ(通信・輸送・水) Muhamet Fall (代理) mfall3@worldbank.org エネルギー・資源採掘産業 Nabil Fawaz nfawaz@worldbank.org アグリビジネス・一般サービス Olga Sclovscaia osclovscaia@worldbank.org 金融・資本市場 再保険部門 Marc Roex mroex@worldbank.org ビジネスに関するお問合せ migainquiry@worldbank.org 20 15 多数国間投資保証機関 世界銀行グループ 多数国間投資保証機関 世界銀行グループ 1818 H Street, NW Washington, DC 20433 USA miga.org